ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

入ってきたのは桃色のインナーカラーがしてある髪の長い、華奢(きゃしゃ)でかわいい女の子だった。


メイクが濃くてネイルもしてあって、すごくかわいいなと思った。


「あ、あれ?ここに華恋さんがいると思ったんだけどな…。天音(あまね)…どうしよう!?間違えた、間違えた、間違えた…」


女の子…天音さんは、頭を抱えてしゃがみこんでしまった。


個性的、というかなんというか。


そういえばこの子、さっき“華恋さん”って言ったよね。


もしかして華恋ちゃんのことかな?


「あの、雨晴華恋ちゃんを探してるなら生徒会室に行くといいですよ。いると思うので」


つい10分ほど前に生徒会室にいた時は、華恋ちゃんもまだ仕事をしていたから。


そう伝えると、天音さんはすくっと立ち上がって笑った。


「ありがとうございます!行ってみますね」


そう言って嵐のように去っていった。


「行っちゃったね…」


「う、うん。なんだったんだろ…」