ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

***


あの日から2週間経った。


それからは、まるで何事もなかったように生活をしている。


那津葉先輩からもらった黒髪のウィッグをかぶって、黒のカラコンをつけてバレないようにして。


そのおかげで、私はヴァンパイア達に王冠(クラウン)だとは気がつかれていない。


「夢乃ちゃん?大丈夫?」


放課後、星空ちゃんと2人で資料室で整理をしている時。


手が止まっていた私を見て、声をかけてくれた。


「あ、ごめんね。ちょっと考えごとしちゃって…」


「そう?体調悪いとかだったら、遠慮なく言ってね!」


心配をしてくれている星空ちゃんに感謝した。


つい2週間前までは、こうやって仲良くできてるのも想像できてなかっただろうなぁ。


「うん、ありがとう」


バンッ!!


そう言ったと同時に、勢いよくドアが開かれた。


「華恋さん!!」