ヴァンパイアに狙われています！〜運命は危険な出会い〜

「その蓮凰くんと維吹くんはどんな人なの…？」


皇くんは気まずそうに少し横を見る。


それから、少し経って口を開いた。


「蓮凰は音花と仲良いんだ。いい奴とは言えないかな、俺も脅されてる側だし…」


「え？」


「あ、いや…なんでもない」


最後の方は聞こえなかったけど、何か重要なことだった気がする。


でも、皇くんが聞かれたくないなら聞かない方がいいよね。


私はそれ以上何も聞かなかった。


「維吹は“冷徹な男”ってよく言われてるよ。魔界じゃ魔力が多すぎて呪いの子だなんて言われることもあるみたいだけど。とにかく、何考えてるか分からない奴だよ」


何を考えているか分からない。


それは、どこか星空ちゃんを連想(れんそう)させた。


まるで自分を押し殺しているような人。


維吹くんにどこか興味を持ったことは、きっと皇くんに言っちゃいけないよね…。