ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜


「そうだけど」


「そうだよね、違うよね…。って、ええ?!」


まさか本当にそうだったとは。


めちゃくちゃ驚く。


「俺の使い魔はモノになりきれるから、普段は置物として部屋にいる。あと、少し話いいか?」


「え、うん。いいけど…」


いきなり真剣な表情になるから、私も少し緊張してしまう。


手を洗い終わった皇くんが荷物を置いて、2人でソファに座った。


それから、皇くんが話を切り出す。


「今日は魔界にある実家に少し寄ってきたんだ。情報が多いから、あそこなら夢乃を狙ってる奴のことが噂されてるかなって思って。それで、分かったことなんだけど…」


ゴクリ…と喉を鳴らした。


急に自分の話をされるものだから、心の準備がちょっとできてない。


「王家には俺以外にも強い奴がいる。ひとりは音花、あとふたりが蓮凰と維吹(いぶき)っていう男。音花と蓮凰は王冠(クラウン)を利用して人間を潰そうって側で、維吹は…よく分からない」