ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

なんてひどい話…。


三葉さんが悪女を演じている理由が、まさかそんなにひどいことだったとは。


私がそんな環境にいたら、三葉さんのようにはなれないと思う。


両親に愛されて、友達にも恵まれた私には、想像もできないほど辛かったと思う。


「でもね、今は私が歌姫でよかったって思うの」


ふと、三葉さんはそんなことを口にした。


「え…?」


「だって恋星さんと出会えたし、この学園で優しい人達にたくさん出会えたから」


そう言った三葉さんの顔は嬉しそうだった。


この子はどこまで優しいんだろう。


「あのね、私ずっと三葉さんと仲良くなりたかったの!こんなにも優しい人が、悪女なわけないってずっと思ってたの。だから私と、友達になってください!」


必死にそう言った。


じゃないと、三葉さんが消えてしまうんじゃないかと思ったから。


そして三葉さんはふっと、とてもきれいに笑った。


「ありがとう。夢乃ちゃん」


「っ…!うん!どういたしまして星空ちゃん」


その後、ポロポロと涙を流した星空ちゃんにずっと寄り添っていた。