ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

自分の能力が誰かの救いになるなら。


そんな淡い期待を抱いた。


それからというものの、「奇跡の歌姫」なんてあだ名がつくぐらい知名度も上がりマイちゃんと同じかそれ以上に人気な歌い手となった。


その頃からマイちゃんとユウちゃんのコンビはいなくなったけど。


それでも、やりがいを感じて続けている。


能力をコントロールできるようになったのも、この活動のおかげだ。


でも、私がいつか能力を暴走させるかもしれない。


だから誰も近寄らないように、嫌な思いをさせないように悪女を演じた。


悪女に好んで近づく人なんていないでしょ?


いじめられることもあったけど、それで誰も傷つかないならそれでいいと思った。


正直自分の感情なんてどうでもよかったから。


ただ、自分で決めたことを最後までできるのかは不安だった。


悪女だとか言われるために胸が苦しくなる。


みんなには“友達”がいるのに、私はそういう人をつくってはいけないんだって。