ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

私が覚醒したのは5歳の誕生日、ケーキにさしてあるロウソクの火を消したその時だった。


パッと明かりがついた時、母が悲鳴をあげたのを覚えている。


その時の心情は恋星さんと同じだと思う。


いや、それ以上に最悪な気分だったかもしれない。


ずっと両親と笑い合って、幸せに生きていけるんだと思ってた。


私は両親が大好きだった。


両親も大好きだと、同じ言葉を返してくれていた。


けれど、私が歌姫だと発覚したとたんに両親は変わった。


私を軽蔑するように見て、気持ち悪いと吐き捨てられた。


その時絶望したのをしっかりと覚えてる。


人生で初めて死にたいと願った。


その後、私は祖父に育てられた。


軽蔑こそしなかったものの、扱いは最悪だった。


私を道具としか見てなくて、表向きのひどい関係ができあがってしまった。


その孤独を埋めようと6歳の時に始めたのが、ピアノだった。