ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

その瞬間、私の唇に柔らかい何かが触れた。


視界は皇くんの整った顔。


「ごめん痛いかも」


そう言った後、皇くんはとがった八重歯(やえば)で私の舌を少し噛んだ。


そのままびっくりして動けなかった。


痛いという感じはなくて、ただ口の中に血の味が広がっているだけ。


それから、出てきた血を全て皇くんが吸いとる。


「い、いい今…」


皇くんの顔が遠くなった時を狙って、私は動揺しながらそう言った。


舌なめずりをした皇くんが妙に色っぽく見えて、私はさらに顔を赤くした。


「キス初めてだった?ごめんね」


「い、言わなくていいから!」


それから、何かを探るように首筋に唇をはわせてきた。


それがなんだかくすぐったくて、またあの声が出る。


「ひゃ…」