ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

「逃げられると思ってんの?」


音花さんのそんな声が聞こえて、私は怖くなって界李くんの服をぎゅっとにぎった。


本当は逃げなきゃいけないのだろう。


でも、界李くんから離れるのが怖かった。


音花さんが怖いからなのか、浮いているのが怖いからなのかは分からない。


「えー、夢乃ちゃんってばかわいー」


「か、かかかわいくないです!!!」


「ははっ」


楽しそうに笑う界李くんに、私は安心感を覚えてしまった。


怖さも吹き飛んでしまう。


「急げ」


「わーってるよ!」


いつの間にか、私達は中庭に来ていた。


奥の方に何か見える。


扉のような…紫色の霧がかかった、ひかる何かが。