ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

私は皇くんにバルコニーに連れられた。


まだ耳に、さっきの皇くんの言葉が残っている。


「夢乃」


「は、はい!」


意識しすぎたせいで、声が裏返った。


恥ずかしい…。


「音花のことは気にしなくていいから。でも、なんかされそうになったら言って。俺がどうにかするから」


かばってくれるのは嬉しいけど、やっぱりすっきりしない。


なんかモヤモヤする。


「あんまり抱え込まないでね?私、心配するよ…」


すると、皇くんは顔をしかめた。


それから視線をそらして。


「夢乃を頼ることなんかないよ」


すごくショックだった。


私って、頼りないんだ。