ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

突然そんなことを言うから、びっくりした。


そして、皇くんは気まずそうに視線をそらした。


「俺はこの力で夢乃を守りたい。母さんがさ、人間を守れる子になってねってよく言ってたんだ。…そうやって、母さんと約束した」


すごく悲しそうな目をしていて、私まで苦しくなった。


「夢乃が本当に王冠(クラウン)なら、これから危険なことがたくさんあると思う。でも、俺が守ってやるから。絶対に」


強くまっすぐな眼差しにドキッとした。


「うん…ありがと」


照れ臭くなって、小声で言った。


でも、皇くんにはしっかりと聞こえていたようで。


「これからもよろしくな」


何かが変わった夜だった気がする。


もちろんいい意味で。


きっと何があっても、皇くんとなら大丈夫なんだ。


この時私達はまだ何が起こるのか、分かっていなかったんだ。