ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

「はい。こちらこそ」


そう言って洗面台へ向かっていった。


なんだか、さっきの表情が忘れられなかった。


皇くんの雰囲気がやわらかくなった気がしたから。


そのことに、胸がチクっとした。


『私もあの笑顔を見たい。私だけに見せてほしい』


そう、よくわからないど思った。


彩鈴ちゃんの存在が皇くんの中で大きくなるのが、よくわからないけど嫌だった。


この気持ちがなんなのか、いつか知れるかな。


手を洗ってきてから、皇くんが莉子さんに何かを渡していた。


「あら〜!ありがとう!みんな、ふたりがアイス買ってきてくれたみたいなの!」


莉子さんが上機嫌になって私達に言ってきた。


袋の中を見ると、たくさんアイスが入っていた。


ひとり2個づつ食べられるのでは、というくらいの量。


「おー、また買ってきたのか〜」