ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

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俺は魔界でヴァンパイアとして生まれた。


それも、高貴な存在である皇家に。


皇家は王家と直接繋がりのある名家で、生まれてきたヴァンパイア達はみな能力も強い。


俺の名前に夜ってつくのは、もちろん俺が強いからだ。


魔界は能力差別が激しい。


能力の強い者が上に立つ、こんなの常識だ。


そして、その力を強いと証明する1つが名前に“夜”が入ること。


夜神家なんてそうだ。


苗字に夜ってついてるから、悪趣味で横暴な家庭って言われてるけど。


そんな中で、王家は別だ。


差別をなくそうとしているからこそ、名前に夜が入る方はいない。


逆に、夜の入っている者は「王家でもないのに頭が高い」と言われる。


その名前をつけたのは親なのにな。


俺も名前が夜空だから、苦労してきたんだ。


でも、俺はまた別の理由で苦労したんだ。