ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

「いいよ。ありがとう」


にこっと笑って見せた。


これも偽りの笑顔だが。


俺達は靴を履き、外に出た。


もう日は完全に沈んでいて、夜の空が広がっている。


「双羽さんは、僕の素の時を知ってるんだよね?」


「えっ、あ、うん…。心の声聞いてたら…」


そりゃそうだ。


心の中まで偽るわけないから、知ってるに決まってる。


分かってて聞いたさ。


俺はそんなにバカじゃない。


「じゃあ、普通に話すわ」


そう言って、俺は立ち止まって双羽を見た。


いつにもなく真剣な顔で。


「今から俺のほとんどの情報を話す。絶対他の奴には言わないこと。誰にもだ」