ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

ヴァンパイア達の見た目は人間と変わらないから、気がつくこと自体すごい。


むしろ、気がつかないのが当たり前だ。


「といっても、ハーフなんだけどね。魔界では、双羽家って結構地位が高いでしょう?」


「まあ、有名ですよね。落ちぶれ一家とも呼ばれてますけど」


落ちぶれって、どういうことだろう。


こんなに素敵な家族なのに。


「あの、それって…」


ガチャ。


また私の言葉がさえぎられて、ドアが開いた。


入ってきたのは20代くらいの男性。


ふわっとした茶髪の髪にオレンジ色の目、目元が少し垂れていて顔がとても整っている。


言い方は悪いかもだけど、チャラそうな雰囲気がある。


「お父さん!」


彩鈴ちゃんが勢いよく立ち上がった。


こ、この人が彩鈴ちゃんのお父さん?!