ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

女子が近寄って声をかけても、誰1人として相手にされなかったそう。


中学の頃に彼女が1人いたらしいけど事故で……なんて噂もある。


本当かどうかは知らないけど。


「いいえ、考えていません。まあ、好きな人はいるのですが…」


朝雛先輩は動揺するでもなく、表情も全く変えずに答えた。


聞かれ慣れたことなのだろうか。


そのことに関しては、彼に少しだけ同情する。


「そうなのか…」


祖父は少し残念そうに言った。


私の予想が正しければ、祖父は私と朝雛先輩を結ばせたかったのだろう。


私の結婚相手は地位の高い人じゃないとって、前から言っていた。


「そうだ三葉さん、あなたに見せたいものがあるんです。一緒に来ていただけないでしょうか?」


朝雛さんが立ち上がり、祖父に言う。


祖父はうなずいてから、私に耳打ちする。


「お前と夜さんは今度お見合いをするんだ。だから仲良くしなさい」