ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

「遅かったな。大丈夫か?」


祖父に声をかけられる。


「うん、大丈夫だよ。遅れちゃってごめん」


私と祖父は、外では仲の良い家族を演じている。


外では敬語じゃないし、お互いに認め合っているふうに見えると思う。


でもそんなのは全部偽りで、大嘘だ。


「そうか。とにかくイスに座りなさい」


「うん、心配してくれてありがとう」


にこっと笑いかけて、祖父の隣に座る。


私の笑顔も偽り。


その後1時間ほどにわたり、朝雛(あさひな)さんと祖父は話し込んだ。


「そういえば、(よる)さんは結婚とかはお考えで?」


いきなり話題が変わり、私は気になってチラッと朝雛夜先輩を見た。


朝雛先輩は、夢色学園では有名な生徒だ。


芸能科2年A組バッチは特Aで、クールでかっこいいって有名。