ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

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私は今日、とあるお屋敷に行く予定がある。


そこはヴァンパイアハンターの一家である、雨晴華恋の家だと分かっていた。


私が最も遠ざけたい存在ではあるが、祖父から命令されたことだから。


こればっかりは仕方がないことで、行くしかない。


私はずっと、悪女を演じて人を遠ざけてきた。


理由は、私が伝承の歌姫であるから。


私が歌姫だと分かったのは6歳で、当時両親は歌姫となった私をひどく嫌った。


その日から会話をしてくれなくなったし、ご飯も作ってくれなくなった。


歌姫っていうだけで、こんなにも大変なのだと思った。


すぐに家を追い出されてしまった。


そんな1人になった私を助けてくれたのは、祖父だった。


しかし祖父は厳しい人で、住む場所やお金をくれるだけで他のことは何もしてくれなかった。


当然、中学生には厳しい生活だった。


1人暮らしを中学から始める人なんて、なかなかいないだろう。


みんなと違う自分が嫌いだった。