ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

一応お財布は持っているけれど、あまり入っていない。


「大丈夫よ。電車は使わないから」


華恋ちゃんはさりげなく私の手を握った。


いきなりの行動に驚くが、それ以上に驚いたのが。


「“転移『作業ルーム』”」


その言葉と同時に、地面に何かが現れて光り輝いた。


「えっ?!な、なに?!」


眩しくて前が見えない。


その状態のまま、私は浮遊感に包まれて深く深く落ちていった。


次に目を開けると、そこはもうさっきまでいた公園ではなかった。


建物の中のような感じ。


けれど、窓はひとつも付いていない少し不思議な空間。


それと今になって、この部屋に彩鈴ちゃんと皇くんがいることに気がついた。


「夢乃ちゃん!やっほ〜!!」


彩鈴ちゃんは、私が来るということが分かっていたよう。