ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

その違和感とは、昊葉会長と那津葉先輩の2人の校章が、私達とは違うことだった。


昊葉会長は赤い薔薇の校章、那津葉先輩は桃色の桜の校章。


私と三葉さんは金色の桜の校章で全く違う色、デザインだった。


そのことに驚いて、私は思わず声を上げてしまった。


だって、校章って全生徒共通の物じゃない?


「校章が違う?!」


「…ああ。やっぱり知らないよね。まあ、その方がいいけどね?」


そう言って、昊葉会長が苦笑した。


けれど、その方がいいとはどういうことなのだろうか。


「あの…どういうことか説明してもらってもいいですか?」


「もちろん。まず、さっき資料に書いてあったことを思い出してもらって、何を表すか分かるかな?」


そう聞かれても、私にはよく分からないかったので何も言えない。


それは隣にいた三葉さんも同じのようだった。


それを察したように、那津葉先輩が「会長、しっかり説明してあげてください」と言って昊葉会長の脇腹をつっつく。


「ごめんね、説明が不十分だったね。こんなことを僕から言うのもあれなんだけど…。この校章は“人間かどうか”を表しているんだ」


「そうか。だからさっきの資料…」


そこまで言われても、何が何だか分からない。