ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

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「ここよ」


華恋ちゃんが指差した家は、家と呼べる建物なんかではなくお屋敷だった。


普通の家の3倍はあると思う。


3階まであるし。


私の家は実は上級貴族だったりするし、結構大きいけど私の家は確実に超えている。


ここに入るのはさらに抵抗が。


「どうしたの?」


華恋ちゃんはきょとんとしている。


私の反応の意味が分かりませんって感じ。


この屋敷に抵抗なく入れるなんて、まさにお嬢様だ。


そんなことを思いながら、どんどんと進んでいく華恋ちゃんについて行った。


けれどすれ違う人たちは、意外にも街中にいそうな人ばかりだった。


もっとこう、ドレス着てる人とかメイドさん執事さんとかいると思ったのに。


それに、人が少ない。


これだけ大きいのにもったいないくらいで、中がスカスカの家みたい。