ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

スマホが震える。


それから、ピッという音と共に華恋ちゃんの声が聞こえた。


『どちら様ですか?』


華恋ちゃんの声は、とても凛としていた。


「あ…えと、彩鈴です!」


緊張しながらも、返事をした。


とっさに答えたので、敬語になってしまった。


そして、華恋ちゃんのくすくすと笑う声が聞こえた。


「ふふっ、そんなに緊張しなくていいのに。今どこにいるの?」


そんなに声に出てしまったのだろうか。


少し恥ずかしい。


そして、私は周りの目印になりそうなものを探す。


「えっとね、駅の中に今入って…南口に1番近いお手洗いの近く!」


「了解。すぐに向かうわ」


その言葉と共に、通話が終了した。