ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

それから、言われたようにその資料に丁寧に目を通していく。


その中には「ヴァンパイア」、「能力者」、「契約済みの人間」などという御伽話(おとぎばなし)にでも出てきそうな言葉も入っていた。


そういえば、雨晴さんに初めて会った時に校章がなんとかとか言ってたような…?


少し時間が経ってから、昊葉会長が私達に聞く。


「目は通せたかな?」


一通り読み終わった後に昊葉会長に聞かれたので、私は頷いた。


ちなみに、三葉さんはもうとっくに読み終わっていたよう。


「それじゃあ、恋星さんは学園の事をあまり理解していないようだから、まずそれから話すね」


私が申し訳なさそうに頷く。


学園の情報も不十分なんて、こんな人が生徒会に入ったらまずいだろう。


しっかり聞かなければ。


「はい。よ、よろしくお願いします…」


昊葉会長が「大丈夫だよ」と私の不安を消すように言ってくれた。


優しすぎる…!


「この学園はね、芸能科と普通科に分かれるんだ。何が違うかっていうと、まず入学方法からだね。普通科は国の推薦を受けないと入学できないけど、芸能科はそうでもないんだ」


昊葉会長が何かを気にするように、ちらっと三葉さんを見る。


「三葉さんはどんな方法で入学したか、恋星さんに教えあげてくれないかな?僕は普通科だから、経験がないんだ」