ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

夜神先輩も気楽に言うものだ。


それに、話すって何を?


「もっと遊ぼ?ね、恋星ちゃん僕の目を見て」


「え…?」


夜神先輩は、私との距離をグッと縮めて。


私の顔を持ち上げて、無理やり目を合わせようとしてきた。


「“動かないで”」


夜神先輩の目が、みるみるきれいな桃色に変わる。


命令のようなその言葉に少し戸惑ったが、危険を感じて後ろに下がった。


「待ってよ」


けれどすぐに腕を掴まれて、逃げるのを阻止された。


「それ以上何もしないで、夜神雨」


本気で怒っている様子の華恋ちゃんが、夜神先輩に言った。


でもそれは、夜神先輩には効かなかったよう。


「えー?君に何ができるの?ヴァンパイアハンターだからって…。人間のくせにさ、高貴なヴァンパイアに指図(さしず)しないでよね〜」