ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

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「ここよ」


少し歩いた後華恋ちゃんはそう言って、とある教室を指差した。


どうやらここ…1年D組に用があるみたい。


芸能科のクラスは、主に有名度でクラスが決まる。


基本は3年間同じクラスで、たまに移動になる生徒もいる。


D組は最低ランクのバッチがEの人か、Dの人しかいない。


「ねぇ〜華恋ちゃん、ここになんの用事があるの?」


華恋ちゃんは彩鈴ちゃんの質問を無視して、教室内を見回している。


「…んーここにはいないみたい。このクラスのはずなんだけど…。ちょっと人を探しててね」


このクラスということは、芸能科クラス1年の在校生ということ。


いったい誰を探しているのだろう?


それから5分くらい華恋ちゃんは校舎をまわって、とある人物を探していた。


「そろそろ帰る?今日はこのくらいにしてさ」


「できれば今日がよかったけど…仕方ないわね。帰りましょ…って、彩鈴は?」


華恋ちゃんがきょろきょろと見回す。