ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

受け入れたくないけど、受け入れなきゃいけないものなのかな。


運命という言葉が、私のモヤモヤを晴らしてくれない。


「別に夢乃が気にすることじゃないよ。運命だからってその人と結ばれるわけじゃないし。まあただ、運命に人を手に入れればヴァンパイアの王に近づく…なんて言われてるだけだから」


「そうなの…?」


「うん」


そうだよ、私が皇くんの運命の人だからなんなの?


でももし、運命の人が私じゃなくても皇くんはその人と付き合うのかな。


そう考えたら、胸がズキッとした。


「とりあえず今日はもう寝なよ。時間もあれだしね。俺が部屋に連れて行くから」


「ひぇ?!」


突然背中と膝裏に皇くんの腕がまわってきて、いわゆるお姫様抱っこをされた。


恥ずかしくて、ぼぼぼっと顔が赤くなる。


「ちゃんと捕まってろよ」


そう言われて、私は顔を見られないように皇くんにギュッと抱きついた。


ガチャ。


「はい。おやすみ、夢乃」


部屋に入ってすぐにトサ…っと自分のベッドに降ろされて。


気がついたら私は眠っていた。