ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

熱のせいで、体がいうことを聞いてくれない。


噛まれただけでこんなことになる?


怖くて、苦しくて、涙が出てきた。


その涙を、皇くんが優しく指で拭う。


皇くんの指がひんやり冷たくて、気持ちよかった。


「ごめん、ごめん。まさかほんとに『発情』しちゃうと思わなくって。…これ飲めば楽になるから」


そう言われて、錠剤を1粒もらった。


受け取ったペットボトルのお水を飲もうとしても、そもそも蓋が開かない。


「あー自分じゃ無理か…。しょうがない」


私は皇くんに体を起こしてもらってから、薬と水を飲まされた。


薬を飲むと少し熱が治って、頭がふわふわする程度になった。


さっきまでの胸の辺りがギュッとなる感覚はもうない。


「大丈夫?」


まだ辛くて、皇くんに抱えられている状態。


私を心配してなのか声をかけてくれるけど。