ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

私が…王冠(クラウン)


そんなの信じられない、信じたくもない。


それに、私は狙われてるの?


「…私が『特別な血』なわけないじゃん…!!きっと何かの間違い…」


「よく聞いて、夢乃」


私の言葉を遮った華恋ちゃん。


そんなに真剣な目で見られたら、何も言えなくなる。


何を言われるのか、とても怖くなった。


華恋ちゃんは一度深呼吸をして言った。


「ただの可能性なの。でも、可能性がある以上放ってはおけない。私は夢乃が…」


その後言ったことが聞こえなかった。


何故なら次に瞬きした時にはもう、私は華恋ちゃんから離れた場所にいたからだ。


それに、誰かに抱きしめられてる…?


「何をしてたの?」


低く冷たい声が、華恋ちゃんに向けられた。


その言葉に反応して、華恋ちゃんが顔を上げて冷たく笑う。


「ふっ。もう気が付かれたのね」


後ろにいる人物が誰か確かめるために、私は振り返った。


「えっ…、美琴…ちゃん?」