ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

確かに画面には、私達のメールの送信のやりとりが表示されていたのだ。


これは私と美琴ちゃんしか見られないはずなのに。


「…話したいことって?」


今は話を聞くのが先だろうと判断した。


ひかえめに聞くと「あそこのベンチに座らない?」と華恋ちゃんが指差した。


私はこくりと頷いた。


私がベンチに座ると、華恋ちゃんはポケットから小さいペットボトルを出して渡してきた。


「はいこれ、レモンティーよ。急に呼び出しちゃったおわび」


優しく笑う華恋ちゃんがいつもよりずっと幼く、無理をして笑っているということが分かった。


きっと、私に悪く思っているのだろう。


華恋ちゃん優しいな…。


「うん、ありがとう」


そんな華恋ちゃんの気持ちを少しでも明るくするために、私はにこっと笑いかけた。


安心してもらいたかったから。


私はもらったレモンティーのふたを開けて飲む。