裏社会の私と表社会の貴方との境界線

ふと目の前を見ると、私達を真っ直ぐに見る学園長がいつの間にか座っていた。


学園長は美しい茶髪の髪をポニーテールにしていて、耳には青く輝く宝石のついたピアスをしていた。


「そんなに緊張しないでください。とりあえず、おふたりとも座っては?」


学園長は私が緊張したことで落ち着かなく、辺りを見回していたと勘違いしたみたいだ。


まあ、こちらにとってはその勘違いはとても好都合だが。


大事なファイルを探しているなんて知られたら、大変だろうから。


「雨晴なら大丈夫ですよー。それより、なんでここに呼んだんですかー?」


ユウは先生に対しても態度を変えず、能天気な奴だ。


「雨晴なら大丈夫」と言ったのは、私が何をしていたか分かっていたからだろう。


ユウにはなぜか、いつも私の行動が筒抜けになってしまうようだ。


「クラス分けとペア組みについてお話がしたくてお呼びしました」


この学園ではペアの人と一緒に受ける授業が多いそうで、私達もペアを決めないといけないみたいだ。


私とユウでペアを組むのかと思うと、少し嫌気がする。


「先ほどいらしたツキさんとレンさんはふたりでペアを組むと言っていたので問題はないのですが…今在学中の生徒のなかに、ペアを組めていない方がふたりいるのです」


「?ペアは、初めの登校日に決めるはずでは?」


この学園はペア組みは必須なので、学園の最初の授業が始まる前…つまり、最初の登校日の放課後までに決めるよう言われているはずだ。


何かあったのだろうか。