一袋の愛



 引っ越しが決まった。県外の幼稚園に行くことが決まったからだ。

 私とお母さんはお世話になった餃子屋さんに引っ越しを伝えに行った。

 お母さんの口から引っ越しの旨を伝えた。私は、もうここには来れないという現実に嫌気が差した。大好きな場所だったから離れがたいのだ。


「あら、引っ越しちゃうのね。さみしくなるね」


 残念がる表情を浮かべたおばあちゃん。少し待っていてと言い、店の奥に入っていく。