ふふん、と少し得意気に胸を張ってそう口にする。てっきりオスキャルからはいつものような「何バカなことを言っているんですか」なんてツッコミが飛んでくると思ったのだが、意外にも彼は私の顔を見つめた。
「確かに。公務をサボりまくって露出が少ないせいで幽霊姫だなんて言われてますが、口さえ開かなければ紛れもなく妖精ですね……」
「えっ」
まさか父以外にも私を妖精だと判断する人間がこの世にいるとは。まさかの伏兵、ここにあり。
そのことに驚いて呆然としていると、すぐにハッとしたオスキャルが手を握ったままの封筒ごと顔の前で振る。
「顔がって話で! 普段のエヴァ様は妖精というより、その、傭兵って感じです!」
「絶対違うでしょ。というかそれは言葉の音だけで言ったでしょう」
「じゃあ脱獄犯、脱獄犯です!」
「傭兵よりはある意味近くなったけど、仮にも王女相手に本当に命知らずね……?」
何に動揺しているのかは知らないが、慌てふたふためいているオスキャルに若干引きつつ、私は両手を腰に当てた。
「まぁいいわ。というわけで行くわよ、隣国!」
「……、は?」
「行くわよッ! 隣国ッ!」
「確かに。公務をサボりまくって露出が少ないせいで幽霊姫だなんて言われてますが、口さえ開かなければ紛れもなく妖精ですね……」
「えっ」
まさか父以外にも私を妖精だと判断する人間がこの世にいるとは。まさかの伏兵、ここにあり。
そのことに驚いて呆然としていると、すぐにハッとしたオスキャルが手を握ったままの封筒ごと顔の前で振る。
「顔がって話で! 普段のエヴァ様は妖精というより、その、傭兵って感じです!」
「絶対違うでしょ。というかそれは言葉の音だけで言ったでしょう」
「じゃあ脱獄犯、脱獄犯です!」
「傭兵よりはある意味近くなったけど、仮にも王女相手に本当に命知らずね……?」
何に動揺しているのかは知らないが、慌てふたふためいているオスキャルに若干引きつつ、私は両手を腰に当てた。
「まぁいいわ。というわけで行くわよ、隣国!」
「……、は?」
「行くわよッ! 隣国ッ!」

