この世界には魔力という力がある。平民にはほぼなく、貴族ならば半々。そして王族なら必ず持っている力。
(末姫の私を除いて、ね)
だが、例え魔力を持っていたとしても全員が使いこなせるというわけではない。
魔力を使うには過酷な訓練を乗り越え、それでもなお使いこなせるようになるのは極一部なのだ。
そんな魔力だが、悠々と使いこなせる一族がいる。それが魔女の一族だった。
魔力を使いこなす魔女という存在は、その強さゆえ一か所に長居しないという。人生で巡り合えれば奇跡とすら言われ、まさにお伽噺の中の存在。そんな一族のひとりが現在我が国に滞在中だと、偶然侍女たちの噂話で聞いてしまったのである。
「しかもわりと王都から近いところに住んでいたのよ!? そんなの、会いに行くしかないじゃない!」
「西の魔女様ですね。というか結構前から住まれてますよ。エヴァ様が知らないのは公務をサボったからでしょう」
「う、うぐぐ……」
(末姫の私を除いて、ね)
だが、例え魔力を持っていたとしても全員が使いこなせるというわけではない。
魔力を使うには過酷な訓練を乗り越え、それでもなお使いこなせるようになるのは極一部なのだ。
そんな魔力だが、悠々と使いこなせる一族がいる。それが魔女の一族だった。
魔力を使いこなす魔女という存在は、その強さゆえ一か所に長居しないという。人生で巡り合えれば奇跡とすら言われ、まさにお伽噺の中の存在。そんな一族のひとりが現在我が国に滞在中だと、偶然侍女たちの噂話で聞いてしまったのである。
「しかもわりと王都から近いところに住んでいたのよ!? そんなの、会いに行くしかないじゃない!」
「西の魔女様ですね。というか結構前から住まれてますよ。エヴァ様が知らないのは公務をサボったからでしょう」
「う、うぐぐ……」

