隣国とはいえ王子、しかもこの国の王太子の友人でもある彼への無礼な態度に一気に頭に血がのぼった。
「私への罵倒は仕方ないけどっ、でも、サイラス様への無礼な言葉は見逃せませんが!」
僅かに足が震えるが、勢いに任せ一気に言い切る。
そんな私の決死の言葉をハッとノルベルト公爵が鼻で笑った。
「私はただ事実を指摘しただけです。殿下には関係ない、これのどこが失礼な物言いなのでしょうか?」
「そ、れは」
「別にこちらも失礼な内容だったとは思っていないよ。だが、彼女に対する公爵の態度には少し腹が立つな」
「サイラス様……」
まるで助け船を出すようにサイラスは口を開く。
私とは違い、サイラス相手だったからか鼻で笑うようなことはなかったが、相変わらずノルベルト公爵の視線は私にだけ向けられていた。
「腹が立ったから、何なんです」
「なに?」
「ですので、腹が立ったから何なのかと聞いたのですよ。私は何か誤ったことを言いましたか?」
ジロリと睨まれ、息を呑む。
思わず視線を外してしまった私は、怯えるように組んだ指先に力を込めていた。
(間違ったことは、何も言ってないわ)
「私への罵倒は仕方ないけどっ、でも、サイラス様への無礼な言葉は見逃せませんが!」
僅かに足が震えるが、勢いに任せ一気に言い切る。
そんな私の決死の言葉をハッとノルベルト公爵が鼻で笑った。
「私はただ事実を指摘しただけです。殿下には関係ない、これのどこが失礼な物言いなのでしょうか?」
「そ、れは」
「別にこちらも失礼な内容だったとは思っていないよ。だが、彼女に対する公爵の態度には少し腹が立つな」
「サイラス様……」
まるで助け船を出すようにサイラスは口を開く。
私とは違い、サイラス相手だったからか鼻で笑うようなことはなかったが、相変わらずノルベルト公爵の視線は私にだけ向けられていた。
「腹が立ったから、何なんです」
「なに?」
「ですので、腹が立ったから何なのかと聞いたのですよ。私は何か誤ったことを言いましたか?」
ジロリと睨まれ、息を呑む。
思わず視線を外してしまった私は、怯えるように組んだ指先に力を込めていた。
(間違ったことは、何も言ってないわ)

