そもそもオスキャルなら、あんなにスラスラと褒め言葉なんて出てこない。息を呑み、視線を泳がせ、赤い顔を見られないようにそっぽを向いた結果、隠しきれなかった赤い耳と、首筋まで真っ赤に染めた横顔をこちらに向けて、『まぁ、その、いいんじゃないですかね』なんてボソボソと呟くのだ。
そしてそんな彼の足を思い切りヒールで踏み、『もう少しまともに褒めなさいよ』なんて――そんな彼の反応を内心嬉しく思いながら、憎まれ口を叩くのである。
会場に向かう馬車の中でも、まともに褒め言葉のひとつも出ないのはどうしてなのか、という議題を私があげれば、それに対して鋭利なヒールでつま先という急所を狙うのがどれほど残虐なことなのか、と話をすり替えてくるのだ。
向かい合い、頬を膨らませる姫に唇を尖らせて対抗する護衛騎士。
本来なら立場に差のあるふたりが対等に喧嘩をし、そして笑い合うということができる唯一無二の相手。
そしてそんな彼の足を思い切りヒールで踏み、『もう少しまともに褒めなさいよ』なんて――そんな彼の反応を内心嬉しく思いながら、憎まれ口を叩くのである。
会場に向かう馬車の中でも、まともに褒め言葉のひとつも出ないのはどうしてなのか、という議題を私があげれば、それに対して鋭利なヒールでつま先という急所を狙うのがどれほど残虐なことなのか、と話をすり替えてくるのだ。
向かい合い、頬を膨らませる姫に唇を尖らせて対抗する護衛騎士。
本来なら立場に差のあるふたりが対等に喧嘩をし、そして笑い合うということができる唯一無二の相手。

