幽霊姫は止まれない!

 だって相手は、友人の妹なのだ。それだけで好感度があるのに、俺にはできない方法で自由を謳歌する彼女に純粋な興味だってあった。

「結婚か」
 もし一生同じ方向を見つめて歩める相手なら。
 この視察で、決めてしまうのも悪くないかもしれない。

(そうすれば、アルゲイドが俺の義兄か)
 それも悪くないだなんて、絶対嫌がりそうな友人の顔を思い出しながら俺はほくそ笑んだのだった。