幽霊姫は止まれない!

 とはいえ、アルゲイドの事情が特殊なだけで、俺を含め王族であればとっくに結婚している年齢ではあった。
 他の貴族よりも、早くに妃と共に地盤を固めなければならない王族はどうしても早くに婚約、結婚することが多いからだ。

 結婚まではまだ至っていなくとも、婚約者がいるという王子も多い。そんな中、婚約者もいないまま第一王子でありながら成人を越したなんて、俺とアルゲイドくらいかもしれない。

 だが、オルコットもリンディも国として安定しつつ、オルコットは交渉力、リンディは武力で優れていて特に今すぐ国同士でどこかと繋がりを持たなくてはならないほど切迫はしていない。そのことも後押しし、どうしても結婚に一歩踏み出せなかった。

(だって結婚以上に最高の外交カードってないだろ)
 どこかに恩を売るか、はたまた利益を産んでくれる先を選ぶか。
 自国だけでなく、他国だって選べる。

 俺自身の魔力が少ないのは正直マイナス点ではあるが、それは逆に「相手の魔力が少なくてもいい」ということでもあった。

「例えば、魔力に恵まれなかった貴族令嬢とか」