「なっ、なにす……」
「はーい。これで俺たちの間にも子供ができちゃうね? どうしよっかぁ~?」
「わ、うわぁ!?」
「ぷっ」
繋いだ両手をフリフリしながらとんでも発言をしたサイラスに、男の子が一気に青ざめて手を振り払う。
(完全に遊んでる)
その気さくな様子に、そういえば先ほどもパン屋の店主相手に敬語を使っていたことを思い出す。
貴族、それも王族なら、無意識に威厳を前に出すのが常であり、それは決して悪いことではない。威風を示すことは、国の誇りと信頼を守るために必要な振る舞いだからだ。
それでも、彼は使い分けるべき場所では使い分け、国民と同じ高さで言葉を交わせる人なのだろう。
「……素敵」
思わず口から零れた言葉に驚き、慌てて口を手で塞ぐ。
──恋愛のトキメキではない、ないけれど。
(サイラス様となら、私は……)
彼の考えも、彼のスタンスも好ましく、魅力的なには間違いない。
それにオルコットといえば友好国のひとつだが、非婚姻国でもある。
ここでもし婚姻による繋がりができれば、もっと強固な絆ができる。
「はーい。これで俺たちの間にも子供ができちゃうね? どうしよっかぁ~?」
「わ、うわぁ!?」
「ぷっ」
繋いだ両手をフリフリしながらとんでも発言をしたサイラスに、男の子が一気に青ざめて手を振り払う。
(完全に遊んでる)
その気さくな様子に、そういえば先ほどもパン屋の店主相手に敬語を使っていたことを思い出す。
貴族、それも王族なら、無意識に威厳を前に出すのが常であり、それは決して悪いことではない。威風を示すことは、国の誇りと信頼を守るために必要な振る舞いだからだ。
それでも、彼は使い分けるべき場所では使い分け、国民と同じ高さで言葉を交わせる人なのだろう。
「……素敵」
思わず口から零れた言葉に驚き、慌てて口を手で塞ぐ。
──恋愛のトキメキではない、ないけれど。
(サイラス様となら、私は……)
彼の考えも、彼のスタンスも好ましく、魅力的なには間違いない。
それにオルコットといえば友好国のひとつだが、非婚姻国でもある。
ここでもし婚姻による繋がりができれば、もっと強固な絆ができる。

