幽霊姫は止まれない!

 その『魔力』さえあれば、三男だろうと四男だろうと重宝され、こぞって婿に! なんて声がかかることもあるが、当時の幼い俺にはそこまでの魔力はなく、貴族として最低限持っている程度しかなかった。
 まぁ、持っていただけよかったのかもしれないが、それでも魔力を持っているということは市井にくだるのも簡単じゃない。魔力は『遺伝』だからである。
 
 うっかり誘拐でもされればたまったもんじゃないので、結局魔力もちの選択は騎士一択。
 騎士として、自分を守る力を付けた後は市井にくだるものもいなくはないが、それは過酷な訓練を目的なくこなし、身につけた者だけの特権だった。

(別に平民になりたいわけじゃないけどさ)

 そんな社会のスワルドン伯爵家の三男として生まれた俺は、かなり不貞腐れていた。
 無理やり父に王城へと連れてこられたからだ。