幽霊姫は止まれない!

 後からゆっくり考えれば、聖女のいた孤児院で薬をみんなで分けあった話を聞いていたのだから気付ける要素はアルフォードの言う通りあったのだが、そうではない。
 そもそも過剰に摂取し、もし中毒症状を起こしでもしたら──。

 俺が感染するかどうか、感染力がどれほどのものか、そしてその致死率がどれくらいなのかはわからないが、それでもやっぱり俺にはエヴァ様だけだから。

「……愛が、重いな」

 薬も愛も、過剰だと相手を追い詰めるものだとわかっているのに、こんなミスをするとは、自分の浅はかさに辟易する。

「まぁ、次の口づけはその……なんだ? 夜中だったか?」
「星空」
「あーあー、まぁその時にすればいいだろう」
「するわけないだろう」
「なんだ。夢だったんだろ?」
「誰のせいで俺の夢が潰えたと!?」

 解せない、とでもいうような顔を向けられても困る。
 
 エヴァ様と俺が互いに想い合っている。これは愛を唄うとすら言われるエルフの証言なのだから、もしかしたらそうなのかもしれない。
 思いの大きさには当然差があるだろうが、それでも、僅かにでも好意を持ってもらえているのかもしれない。

(でも)