幽霊姫は止まれない!

 馬車は通れずとも十分な広さの獣道は確保されているとはいえ、歩いている時にうっかり足を引っ掛けて擦り傷などができればそこから毒を摂取してしまう危険性もある。だからこそオスキャルが心配するのも護衛騎士としては当然の反応なのだろう。

「でも、毒草を焼き払ったからこうなってるのよ。だから大丈夫」
 私のその声掛けで渋々地面に下ろされる。そんな私たちの様子に、聖女がボソッと『面倒くさ』と呟いたのが聞こえたが、それは同感だったので聞き流すことにした。
(私の体は私のものじゃない。いつか国のために使う体だもの)
 面倒くさいくらい注意を払うのも当然なのだから。

 三人くらいなら横並びで歩けそうな幅はあるが、一応今回の発端が毒草ということであまり草が茂っているところには入らないよう獣道を一列に並んで歩く。先頭がオスキャル、そして私を挟んで聖女だ。