幽霊姫は止まれない!

「ハイハイ。それよりこの生息範囲、やっぱりおかしいわよね。透かしキノコみたいに色んな場所にあるなら生息図が全体的に塗りつぶされてるはずなのに、これはどこも塗られてないのよ。でもローザはこの森に全部あるって言っていたし」
「それより俺です、俺は誰よりも俺のことを愛してて……」
「図解書にも、生息範囲こそ書いてないものの頭上、というよくわからない書き方はされてるのよね」
「エヴァ様ぁ」
 どことなく情けない声を出すオスキャルを無視し、私は見つからない最後のひとつを求めてひたすら首を傾げたのだった。