幽霊姫は止まれない!

 そして彼の言葉を繰り返した私は、一拍遅れてやっと理解した。

「あっ、娼館ってこと!? そうね、言われてみればそういう施設、あったわね!?」
「あうぅ」
「い、いいじゃない、その、男性ってそういう付き合いが必要な時だってあるんでしょ?」
「だから俺は行ったことないって言ってるんですぅッ」
「わ、悪かったわよっ! 悪かったってばぁ!」

 必死に弁解するオスキャルに動揺しつつも謝罪すると、流石のオスキャルも口を閉じる。
 だが一体何でそんなに弁解したがるのだろうか。

(別に犯罪を犯したわけでもないのに)

 娼館も娼婦もれっきとした仕事だ。
 もちろん違法でやっている店だってあるかもしれないが、歓楽街にあるならばちゃんと国の認可を受けてやっているはず。
 成人しているオスキャルがそういった場所に出入りしていても何も問題はない。

 ない、はずだけれど。

 そこまで考えた私の胸の奥がツキリと痛む。
「?」
 別に私にはオスキャルがプライベートの時間、何をしていようと詮索する権利も、咎める権利も何もないのに。

(どうしてかしら。ちょっと嫌かも)