幽霊姫は止まれない!

 両手を顔の前に掲げ私からのあーんを拒もうとするオスキャルは、チラッチラッと意味深な視線をイェッタとミック公爵令息の方へと向ける。
 恥ずかしいのだろうか?

「親鳥が雛に食べさせていると思いなさい。そうすれば恥ずかしくはないでしょう」
「鳥の給仕は求愛ですけどっ!?」
「み、見せつけてマウントを取っておられますの!?」
「ラッブラブな恋人同士なの、イチャイチャしてもいいじゃない」
 相変わらず必死で拒むオスキャルの手を時にフェイントをかけながら華麗にくぐり抜け、ケーキを彼の口の中へと詰め込もうとする。だが、絶妙に彼まで遠い。

 机を挟んではいないので届きそうではあるが、それでも椅子と椅子の間にある隙間のせいでオスキャルが顔を背ければもう届かないのだ。
 フンッ、フンッと勢いをつけてあーんとイヤイヤの攻防を夢中でする私たちだったが、これでは終わりが見えない。

 あまり手間取っていると、恋人同士という設定が不自然に見えてしまうだろう。