幽霊姫は止まれない!

 確かに今演じているような恋人同士ではないけれど、私にとってオスキャルは大事で、唯一なのだから。だから、と内心言い訳をした私は胸を張って声をあげる。

「ちゃんと! 私だってオスキャルを愛してるわよッ! イェッタには負けないわ!」
「えっ!? アッアッアッアッ」
「わ、私だって、ずっとオスキャル様を慕ってましたわ!」
「エヴァ様、今の、アッアッ、ワンモア……」
「何度だって言ってあげる。イェッタ、貴女には負けない!」
「そっちじゃない、そっちじゃないですエヴァ様」
「黙りなさいオスキャル! 今私はキャットファイトをしてるのよ!」
「負けない、私だって負けませんわ!」
「アッアッアッ」
 横でキュゥンと小さく鳴くオスキャルを無視し、イェッタにそう断言すると彼女も私の言葉に乗りそう言い切った。

「「いいわ、勝負よ!」」

 ギギギと互いに睨み合いながらそう宣言した私たちは、フンッと大きく顔を逸らす。
(絶対に負けないわ)
 その場の注目を全てかっさらいつつ、そうして波乱の一日が幕を閉じたのだった。

 ◇◇◇