「ずっと、ずっとずっと気になっておりました、貴女のその態度! 恋人同士というのは本来互いに想い合っているものなのに、貴女はいつも偉そうに振る舞うばかりでオスキャル様のこと、下僕だとでも勘違いなされているのかしら!」
(偉そうに……?)

 イェッタから言われたその言葉にドキリとする。
 確かに私は、いつも自分がしたいことばかりで彼を振り回してきてしまった。

 オスキャルの仕事はあくまでも私を護衛することだ。私のわがままに付き合う必要はない。
(恋人ごっこまでさせて、得るものは私の好奇心を満たしたという事実だけ)
 そう考えると、彼女の指摘が事実として刺さる。

「……。ちょ、エヴァ様、そこで反論してくださらないと俺を下僕と思っている、で確定してしまうのですが」
「あ、え? ごめんなさい。少し考え事をしてしまって」
(それに、イェッタの言い方だとまるで私がオスキャルを想ってないみたいじゃない)
 そんなことはない。
 彼を選んだのは私自身だし、オスキャルは忘れてしまったかもしれないが、私は彼を忘れなかった。