幽霊姫は止まれない!

 それはもうべらぼうに顔がいい。
(まさかここにきてこんなに伏兵が出てくるなんて)
 顔がいい近衛騎士たちのせいでより難易度が上がってしまっている。いくら私が名探偵といえど、この謎はなかなか解けないかも、なんて思いながら再び彼女へと視線を向けた私はひゅっと息を呑んだ。
 そして私は彼女の表情に目を奪われる。 
 ──何故なら、彼女の目的は、いや彼女の想い人はオスキャルだと、そう気付いてしまったから。

 何故気付いたのかと聞かれると、ただ女の勘としか答えられないが、それでも確かにそう思ったのだ。
 彼女の熱っぽい視線、彼女の纏う空気。
 いつか国のためにする政略結婚を受け入れている私にとっては恋なんてする意味がなく、だからこそあえて鈍感に目を背けてきたけれど。
(イェッタは、オスキャルが好きなのね)
 そんな私にすらわかるほどの恋情を抱いているということなのかもしれない。

「貴女、オスキャル様の恋人ということだけれど」
「……え、あ、あー、はい。そうですね」
「彼は最年少ソードマスターよ。平民が結婚相手にはなれないわ」