『「ああー、こっちから願い下げだっ! 辞めてやるよっ、こんなバンド!!」』 背中合わせに貸しスタジオの重たい防音ドアをそれぞれに八つ当たりで閉めながら、偶然にも二人は同時に同じセリフを吐いていた。 片方はツバを飛ばし、勢いづいた剣幕で。 また一方は淡々と、冷酷そのもの吐き捨てるように。