空に還る。

私がベッド、その下に敷いた布団にきっちゃんが寝ることが当たり前になった。
この布団は姉がベッドに敷いて使っていた物だ。

「あんず、びっくりしたとじゃなか?」

「そりゃあね。まさかおねぇが親になっとるとか想像できんやろ」

「寂しかね?」

「もー。きっちゃんはすぐ見透かしてくるね?さっきもさ、親の前で急に大人びたことば言うし。そっちのほうが驚いたかもしれん。でも私ば庇ってくれてありがとう」

「僕はあんずの味方やけん。ここで出逢ったとがあんずやったけんこうしておれっとばい。罪悪感もある…。僕の家族が生きとるかどうかも分からん状況で僕だけが幸せば教えてもらって、飯ば食わせてもらって、こげんよか布団ば借りてさ。罰あつっちゃなかやろか思うっばい」

「そげん思わんちゃよかたい。きっちゃんの家族が今も大変な目に遭っとることは無くしてはあげれん…。でも私にはきっちゃんば元気に帰してやらんば責任のあっけんね。出逢ってしまった責任たい」

笑った私にきっちゃんはありがとうって言った。