空に還る。

「琴音」

「んー?」

琴音の声もいつもより丸みを帯びていて、
眠たいのかなって思った。

「登校日のさぁ。海、楽しかった?」

「そりゃあねぇ。特別な日になりましたから。でも…」

「んー?」

「やっぱあんたの隣が一番落ち着くわ」

「…私も。ありがとね」

今日、四人でここに来れて本当によかった。
きっかけをくれたきっちゃん、
受け入れてくれた琴音、サコソウ。

きっちゃんだけじゃない。
私にも思い出をありがとう。

生きたい理由を与えてくれてありがとう。

私も、何があってもこの時代を生き抜くよ。
必ずきっちゃんを見つけ出してみせる。

そんでさ、あべこべで意味不明な関係性かもしれんけど、
おかしな同窓会ばしたかね。

生きて。

必ず再会ば約束しよう。